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ゴールデンウィークのお知らせ

4月30日、5月1日、5月2日は午前中診察致します。

内科、整形外科、皮膚科、アレルギー科、漢方
医療法人社団憲伸会 五反田西口クリニック
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-27-6
市原ビル2F
TEL: 03-3493-4623

医院名
医療法人社団憲伸会
五反田西口クリニック

院長
長屋 健
住所
〒141-0031
東京都品川区西五反田1-27-6
市原ビル2F
診療科目
  • 内科
  • 整形外科
  • 皮膚科
  • アレルギー科
  • 漢方
  • 漢方内科
電話番号
03-3493-4623

漢方

はじめに

全ての難治性疾患が東洋医学のみで治ることはありえないが、東洋医学思想を基盤として加療して行くことにより、今よりはるかに快適な状態にもっていくことは難しい事ではないと思われます。

煎じ薬について

煎じ薬は、従来の土鍋を使って40分ほど かけて作るものだけでなく、薬の種類によっては、振り出し というタイプがあり、これは、急須やテイサーバといった、お茶や紅茶をいれると同じく5分ほどで出来る物もあります。非常に手軽で職場でも簡単に作れます。急須、テイサーバと一緒にあるものが、煎じ薬のテイパックです。このように 1回分ずつパック入りですので、簡単に作れます。

漢方が得意としている疾患

アレルギー疾患

  • アトピー性皮膚炎
  • 花粉症
  • 喘息

アトピー性皮膚炎においては当院独自の漢方入浴剤を用い、家庭で入浴時に入っていただく。
また、花粉症には、漢方ハーブティーをコーヒー代わりに飲んでいただくことにより、眠気のない治療を確立している。

整形外科疾患

腰痛、肩こりについては漢方薬を中心に針治療を行い成果をあげている。

婦人科疾患

更年期障害、冷え性、冷えのぼせについては、漢方薬のみならず、食養生をアドバイスしている。

その他

西洋医学のみでは、十分効果の得られない疾患にたいしては、漢方治療を試みる価値は充分にあると思われます。

東洋医学の歴史

東洋医学の歴史をひもといてみますと、中国の春秋戦国時代(紀元前403~221年)に、中国医学最古の文献「皇帝内経(こうていだいけい)」が記されています。

この当時の病気の治療は、占師や祈祷師(きとうし)による「シャーマニズム」がはびこっているなかで、「皇帝内経」は著名からもわかるように、皇帝と家臣の問答形式で、生理学、病理学、診断学に基づいた予防、治療に言及した画期的なものでした。

その後、紀元1~2世紀に薬物に関する重要な古典である「神農本草経」が記されました。これは漢方薬について述べられており、記載されている薬物は、1年の日数と同じ365種類にのぼっています。内訳は、植物252種、動物薬67種、鉱物薬46種。これを使用目的別に、上・中・下品(ほん)に分けているので、その内容を紹介します。

  1. 上品(じょうぼん)、120種。主として補養類の薬物で、無毒のものが大半。
  2. 中品(ちゅうぼん)、120種、有毒、無毒のものがあり、多くは補養と疾病を功治する作用をかねそなえた薬物が多い。
  3. 下品(げほん)、125種。一般に毒性のあるものが多く、トリカブト、附子(ぶし)類も含まれ、もっぱら疾病を功治する薬物。

このように、今から2000年も前に、今日の医学に匹敵するほどの薬物、毒物が記されていることは、東洋医学の驚異といえましょう。

この他、「八十一難行(なんぎょう)」(扁鵲著)、「傷寒雑病論」(張仲景著・紀元4世紀)、「外台秘要(ひよう)」(王秘著・唐代)、「儒門事親(じゅもんじしん)」(張従正著・元代)、「温病論(うんびょうろん)」(王履著・明代)、「女科要旨(じょかようし)」(陳修国著・19世紀)、「外科正宗(げかせいしゅう)」(陳実功著・17世紀)、などが記されています。

つまり、中国医学は2000年以上の歴史を何十億という臨床例をもとにして発達してきたもの、といえるのです。

日本には、610年に、聖徳太子が隋と関わりをもち、国交をひらいたことから伝わり、江戸時代に入って、漢方医学がわが国に確率されるのです。

しかし19世紀に入ると、西洋医学である蘭方が入りはじめ、明治時代にいたって漢方と蘭方の勢力は、完全に逆転してしまいます。

明治5年に医師法が制定され、漢方医は医師としての資格を認めてもらえなくたったからです。

当時は富国強兵に時代でしたから、軍備医学(戦地での負傷兵のための外科学や、結核による軍隊の戦力低下防止のための細菌病理学)などが盛んで、心身一如を基本原則とする東洋医学(心と肉体は一つであり、心が病んでも肉体が冒され、肉体が病んでも心が冒される、といったきわめて高レベルの全体治療)が一時期、見捨てられた時代であったのです。

しかし現代に至り、西洋医学的には異常データが見つからないまま苦痛を訴える、不定愁訴や慢性病の患者が増加するなかで、心身医学、ホリスティック医学が見直され、注目されてきました。

つまり、人体の自己修復力を助長したり、免疫能を高めたり、バランスのくずれた身体機能を復調させることを目的とする東洋医学が、再認識されてきたのです。

では、東洋医学の基本生理概念は何なのでしょうか。

それは、「気・血・水」なのです。この「気・血・水」説について述べてみましょう。

気・血・水(き・けつ・すい)ってなに?

体はサインを出している

私たちが日常生活を営むうえで、肌荒れ、頭痛、疲れやすいといった症状があります。
病院に行くほどではないまでも、こうした不快な症状は快適な生活の妨げになります。

生活の中から生まれた中医学(中国医学)や東洋医学では、体内を流れる「気・血・水(き・けつ・すい)」のバランスが整っていれば健康でいられると考えられてきました。
元気のもとの「気」、体をつくる「血」、みずみずしい体を保つ「水」の3つがサラサラと流れるように、食事や運動が大切にされてきたのです。

「気」「血」「水」のバランスが崩れると、その影響が症状となって体にあらわれます。
3つのうちのどれかが多くなり過ぎたり、足りなくなると、血液がドロドロになり、人によって症状はさまざまですが、少しずつ健康ではなくなってきていることを知らせるサインが、体のあちこちに出てくるのです。

ちょっと疲れただけ、眠れば治るなどと軽く考えてはいけません。
健康診断の「特に異常なし」という結果に満足してしまえば、このサインはおさまるどころか、病気に発展してしまう可能性大なのです。

病気の卵「未病」はドロドロ血が原因!

東洋医学や、中医学の世界には「未病」という体のサインの捉えかたがあります。
未病とは病気の卵のようなもの。「さいきん、なんだか調子が悪い」と感じるのは、ボディシグナルが黄色に変わったというサインです。

体の不調の原因は、ほとんどの場合、血液が汚れてしまってサラサラと流れていない状態、つまり「ドロドロ血」です。

東洋医学の漢方薬は気になる部分に直接作用。誰でも安心してケアできることから、さいきん注目を浴びています。

「気」の役割について

「気」とはエネルギーのことを指します。
元気、やる気と、「気」がつく言葉はたくさんありますが、これはエネルギーが満ちあふれていることです。

エネルギーにはふたつの種類があって、ひとつは持って生まれた生命力や体力。使い続けることで肉体は老化します。
そして、もうひとつ毎日の食事や呼吸から生み出される、生きる活力になるエネルギーです。

風になびく風船みたいな「ユラユラエネルギー」

このエネルギーである「気」には、血液やそのほかの水分を体中にめぐらせて、体を機能させる、という大切な役割があります。

その「気」が不足するとユラユラエネルギーの状態になり、すぐに疲れてしまったり、風邪をひきやすくなったり、胃腸の動きが低下したりします。

東洋医学ではこれを「気虚」と呼びますが、例えるならば、今にも風に飛ばされそうなほどユラユラ揺れている風船のようなもの。
かぼそくたよりない、活力状態なのです。

いつ爆発してもおかしくない「噴火寸前エネルギー」

一方、ストレスや怒りを感じたときに、上手に発散できないと、体内に「気」がたまり過ぎる噴火寸前エネルギーの状態になります。

エネルギーがたまる、というのは一見、元気なように思えますが、実際はイライラが続いたり、すぐに人に怒りをぶつけるようになり、不眠症や胃潰瘍の原因にもなりかねません。
東洋医学ではこれを「気滞(きたい)」と呼びますが、例えるならば噴火寸前の活火山といったところ。
怒りやストレスという名のマグマが、エネルギーという熱をため込んで、いつ噴火してもおかしくない危険な状態なのです。

こうして「気」のバランスが崩れると、栄養の運搬役である血液の流れも滞ってしまい、結果的にドロドロ血をまねくことになるのです。

「血」は体も心も支える働きもの

血液は、動脈や静脈などの太い血管から細い血管へと枝分かれして毛細血管をたどり、体のすみずみまで届いています。
健康なサラサラ血の場合、血液は全身を一定のスピードでスムーズに流れます。
ところが、ドロドロ血の場合、途中でちょっと流れが止まって血が足りなくなるプチ貧血状態のセンチメンタル血流になったり、古い血が体内にたまるトロトロ血流になって、ところどころでスムーズに流れなくなってしまうのです。

枯れ葉を見てブルーになる「センチメンタル血流」

東洋医学では、血液は体をつくるだけでなく、ココロのコンディションもよい状態に保つと考えられています。

センチメンタル血流の状態になると、体に栄養がいきわたらなくなり、だんだんと生気を失ってしまいます。
東洋医学ではこれを「血虚」と呼びますが、顔色は青白く肌はカサカサ、髪の毛もパサパサで枝毛だらけ。
もちろん心も元気をなくし、枯れ葉を見ただけでも泣きたくなってしまうほど情緒不安定になります。
しかも、心のバランスを崩した人は、深く眠れなくて夢をいっぱいみたり、集中力に欠けたり、もの忘れもするようになってしまうのです。

ジャムのようなネバネバ状態の「トロトロ血流」

では、使用済みの古い血液がきちんと排出されず、体内にたまってしまうトロトロ血流とは、どんな状態でしょう。

体内の細胞が生まれ変わるための栄養を運んでいるのは血液。
その血液が汚れていて古い血液が体内にたまると、栄養がきちんと届かないばかりか、毒素を細胞に与えてしまうことにもなりかねません。
東洋医学ではこれを「瘀血(おけつ)」と呼びます。

便秘になるとお肌にポツポツができてしまうのと同じように、汚れた血液がたまると、ニキビができたり、顔色がどす黒くなったり、シミができたりします。

さらに血液が汚れると、生理の時の血がレバー状のかたまりになっておりてきたり、生理痛がひどくなったりもするのです。

血とともに流れる「水」の潤いパワー

「水」とは、体に流れる水分のこと。涙、汗、血液など、体内をめぐる全ての体液のことです。
体内の成分は、ハリのあるツルツル肌をつくったり、腸壁をなめらかにしたり、炎症の熱を鎮める火消しの役目もします。

乾燥した灼熱の砂漠みたいな「カラカラ水分」

体内の水分が不足して、砂漠のように乾燥してしまうカラカラ水分の状態は、実は水分だけでなく、血液も不足してドロドロになっている状態。

東洋医学ではこれを「陰虚(いんきょ)」と呼びますが、体温調節する水分がないので、体はほてり、肺や大腸内が乾燥しています。
原因は多くの場合がオーバーワーク。
毎日忙しく動いている人に多い症状なのです。

「カラカラ水分」になると、微熱が出てめまいを感じたり、肌がカサカサになったり、腸壁の乾燥が原因の便秘になって、ウサギのようなコロコロした便が出てきたりします。
空咳が出たり、のどが渇いたりするのも水分の不足が原因です。
また、体をハードに動かして、疲れがたまっているので、痩せてきたりもします。

ビチョ濡れぞうきんのような「ポタポタ水分」

逆に水分を体にため込み過ぎるポタポタ水分の体は、水にひたしたぞうきんのようなもの。
余分な水分が体内におさまろうとするので、水太りでいつもむくんでいます。

東洋医学ではこれを「痰湿(たんしつ)」と呼びますが、体内にたまった「水」は重く、体を冷やしてしまいます。

また、手足が冷たくて、夏場のクーラー攻めがつらいのもポタポタ水分の特徴です。
冷えが原因で血行が悪くなったり、不要な水分が血液の流れを妨げて、血液がドロドロにもなってしまいます。

さらに、水気をいっぱい含んだ体は締まりが悪く、お尻やおなか、顔までもがたるんできてしまうのです。

体のラインを気にする女性には何ともこわい話。
でも実は日本人の女性にはこのポタポタ水分のサインが出ている人が多いのです。
雨の日や梅雨どきに体調を崩す人は、要注意です。

漢方の知恵

さいきんになって、ドロドロ血液が病気の原因になることが、西洋の医療現場でも認識されるようになりました。
それと同時に、未病を治すために血液をサラサラにする東洋医学も、注目を集めるようになりました。

とはいっても検査の結果に基づいて薬を処方する西洋医学。
血液検査などに数値的な問題がなければ、体の調子が悪くても処置を施されないままのこともあります。

わたしのクリニックには、生理のトラブルをかかえた女性が多く訪れます。
周期がバラバラだったり、重い生理痛に悩んでいたり。
人によって症状はいろいろですが、そんな不快な症状を自分の体質なんだとあきらめている人がほとんどです。

女性の体はとってもデリケートです。
精神状態や生活リズムに大きく影響されますが、原因の多くはドロドロ血。
「気」「血」「水」の状態をみながら漢方薬を処方して血液をサラサラにしてあげると、元気を取り戻せます。

体に不調サインが出たら、まずはどんな症状なのか観察して、トラブルの原因が「気」「血」「水」のうちのどれに分類されるのかを知ること。
原因が分かれば、いちばん適切なボディケアを選ぶことができ、体のサインにきちんと対処できます。

体の内なる声を聞いて、今よりもちょっぴり多めにケアしてあげる。
それだけで血液はサラサラになり、毎日を元気に過ごせるのです。